中国ラオス鉄道開通で観光ブーム 古都の静寂壊されるとの声も
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【2月9日 AFP】ラオスの古都ルアンプラバン(Luang Prabang)。夜明けとともに黄色のけさを着たはだしの僧侶たちが托鉢(たくはつ)に出る。カメラを握り締めた大勢の観光客が、早朝の厳格な雰囲気を打ち破る。
国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)に登録されているルアンプラバンには、昨年1~9月に80万人近くが訪れた。国営メディアによると、ルアンプラバンは2024年末までに300万人の観光客を誘致する目標を掲げている。
政府は観光業に力を入れているが、地元の人たちは静かだった街が団体観光客に占領され、文化が変わってしまうと懸念している。
朝の托鉢はかつて、仏教徒の住民と僧侶の間で粛々と行われていた習慣だった。しかし、今では僧侶たちはプラスチック製の椅子に座る数百人の観光客と、携帯電話を目の前に突き出してくるツアーガイドの間を歩かなければならなくなっている。
ルアンプラバンでは、朝の托鉢を見学する外国人観光客は以前から大勢いた。しかし、いまでは托鉢は写真撮影会のようになってしまったと住民は嘆く。
「何も買わずに写真を撮りまくっている」と、30歳の物売りの女性は不満を漏らした。
だが、もち米が入った喜捨セットを1個5万キープ(約360円)で販売する女性にとって、まったく観光客が来ないのも問題だ。
「観光客が来なければ、売り上げもなくなってしまう」「観光客が来れば来るほど、私たちの生活も変わってしまう。もはやカオスだ」