【2月7日 AFP】中国・北京から河北(Hebei)省邯鄲(Handan)市へ向かう寝台列車は、赤い包装紙に包まれたプレゼントを持った人でごった返していた。IT企業で働くスン・ジンタオ(28)さんは、春節(旧正月、Lunar New Year)を3年ぶりに家族と過ごす予定だ。

 国営新華社通信によると、今年の春節の大型連休では延べ90億人が移動する。

 スンさんは久しぶりの帰省が楽しみで、興奮して眠れなかったと話す。「料理が好きなので、着いたら材料を買い込んで腕を披露するつもりだ」と語った。ただ、母親の作る料理も楽しみだという。「故郷の味、実家の味だ」

 切符は全国で売り切れており、買えなかった人も多い。

 寝台列車の客室には、インスタント麺から上がる湯気の香りが立ち込めていた。車両の間では数人の男性がたばこを吸いながら、田園風景が広がるのを眺めていた。

 邯鄲市出身のドン・ハンさん(18)は、給料がいい北京で働くために上京したと話す。市内のバーベキューレストランで、週6日、午後4時から午前4時まで働いている。「大勢の家族が集まって、水ギョーザを作って食べるのは本当に素晴らしい」

 中国の大都市にはここ数十年、ドンさんのような若者数百万人が出稼ぎに来ている。

 国営メディアは鉄道関係者の話として、北京駅は今年の春節期間中の利用者は450万人に上ると伝えている。移動のピークは7日で、19万2000人の利用が予想される。(c)AFP/Peter CATTERALL