【2月4日 AFP】ロシア外務省が朝鮮半島(Korean Peninsula)情勢緊迫化の原因は韓国にあると非難したのを受け、韓国は3日、駐韓ロシア大使を呼び出し抗議した。

 ロシア外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官は今週、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル、Yoon Suk-yeol)大統領が最近、北朝鮮は核兵器の先制使用を法制化した世界で唯一の国だと指摘したことについて問われた際、朝鮮半島情勢緊迫化の主因は「米国と、韓国や日本など同盟国による厚かましい政策」にあり、尹氏の発言は「極めて偏向的」だと批判した。

 韓国については、「米国の指導的な地位が不可逆的に過去のものになりつつある」ことを理解していないようだとし、「米国の地政学的ゲームにおける小さな駒にすぎない」ことにいずれ気付くだろうと述べた。

 これを受け、韓国外務省は同日、ゲオルギー・ジノビエフ(Georgy Zinoviev)駐韓ロシア大使を呼び出し抗議した。

 韓国側は「ロシア側が真実に目をつぶり北朝鮮を無条件に支持したのは極めて遺憾だ」とした上で、「極めて無礼な言葉で韓国大統領の発言を批判した」と反発。ロシア側の行動は「韓国・ロシア関係をさらに悪化させるだけだ」と語った。

 韓国外務省は同日夜、AFPの取材に対する書面での回答でザハロワ氏の発言について、「一国の外務省の報道官としてふさわしくない」「北朝鮮の脅迫的な言動と継続的な挑発が朝鮮半島と地域の情勢を緊迫化させているという明白かつ客観的な事実を無視している」と指摘した。(c)AFP