【2月2日 AFP】英ロンドン南部クラパム(Clapham)の住宅街で1月31日、女性とその子ども2人が腐食性物質で襲撃された。警察は逃走した容疑者の男の行方を追っている。

 被害に遭ったのは31歳の女性と8歳と3歳の娘。助けに入った女性3人も軽いやけどを負い、全員病院へ搬送された。同じく駆け付けた男性1人も負傷したが、病院での治療は断ったと本人が語った。また現場に急行した警官5人も軽傷を負った。

 警察は被害女性の知人とされるアブドゥル・エゼディ(Abdul Ezedi)容疑者(35)の行方を追っている。「顔の右側に大きな傷がある」とする情報を公開し、市民に警戒を呼び掛けた。

 英国では酸を含む腐食性物質による襲撃事件は、2017年に記録された941件をピークに減少していた。だが、酸による暴力の根絶と被害者支援に取り組む国際団体「アシッド・サバイバー・トラスト・インターナショナル(ASTI)」によると、2022年から再び急増している。

 警察の統計によると、イングランドとウェールズ地方では2021年には計421件だった報告が、22年には少なくとも710件と前年比約70%増となっている。

 この数字はASTIが情報公開請求によって入手したデータのみのため、実際には「はるかに多い」可能性があるという。(c)AFP