【1月31日 AFP】フランスのミネラルウオーターブランドの約3割で、水道水のみに施されるべき殺菌などの処理が行われていると、仏メディアが30日、政府の調査報告書に基づいて報じた。

 日刊紙ルモンドと公共のラジオ・フランスの報道に先立ち、食品大手ネスレ(Nestle)が、ペリエ(Perrier)やヴィッテル(Vittel)といった主要ブランドで、紫外線や活性炭フィルターを使っていたと認めていた。

 同紙によると、社会問題監察総局(IGAS)が2022年7月にまとめた報告書で、「30%近いブランド」で国内の規定に反する処理が行われており、しかも「30%というのは少なく見積もった数字」だと指摘していた。

 欧州連合(EU)の指令に基づいたフランスの法律では、ミネラルウオーターはボトル詰め以前に自然に良質であるという観点から、殺菌処理を施さないことが義務付けられている。

 AFPはIGASにコメントを求めたが、現時点で回答はない。

 ある政府筋はAFPに対し、「ボトル入り飲料水の品質に関連し、健康リスクはこれまでのところ特定されていない」と述べた。

 だがラジオ・フランスは、「特に微生物リスクなど、健康リスクが完全に制御できていると結論付けるのは賢明でない」とする報告書の一節を引用した。

 同政府筋は、IGASが調査に乗り出したのは、ネスレが2021年、当局に対し、規定に反する処理を行っていると認めたためだったとしている。

 一方、ルモンドおよびラジオ・フランスは、国産の有名ミネラルウオーターを製造する仏企業スルス・アルマ(Sources Alma)の元従業員が20年に、「疑わしい慣例がある」と内部告発しており、検察当局がアルマに対する調査を開始していると報じている。

 また同政府筋によると、ネスレに対しても別の調査が行われているという。(c)AFP