【1月31日 AFP】世界保健機関(WHO)は30日、パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出をめぐる論争によって、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の人道危機が置き去りにされていると警告するとともに、UNRWAへの支援を継続するよう各国に呼び掛けた。

 UNRWAをめぐっては、同機関の職員がイスラム組織ハマス(Hamas)による昨年10月7日の越境攻撃に関与していたとのイスラエルの主張を受け、ここ数日で少なくとも12か国がUNRWAへの資金拠出を停止している。

 WHOのクリスチャン・リンドマイアー(Christian Lindmeier)報道官はスイス・ジュネーブでの会見で、「犯罪行為は必ず処罰されるべきだ」とした上で、「しかし、(資金拠出をめぐる)論争によって、ガザで毎日、今この瞬間にも実際に起きていることが置き去りにされている」と指摘。

「資金拠出国に対しては、この極めて重大な局面でUNRWAへの資金拠出を停止しないよう求める。(停止は)支援を切実に必要としているガザの住民を苦しめるだけだ」「この問題に関する議論は確かに重要だが、現地で起きている真の問題を忘れてはならない」と訴えた。(c)AFP