【1月30日 AFP】フランス東部ストラスブールの動物病院で29日、地元の大学が所有する、古代エジプトのネコやハヤブサ、魚などのミイラ5体のX線調査が行われた。

 ミイラはストラスブール大学(University of Strasbourg)が100年ほど前に購入したもので、大きさは10~30センチ。2000~3000年前のものとみられている。

 同大で古代エジプト関連の収蔵品の管理を任されているフレデリック・コラン(Frederic Colin)教授は「すべてのミイラに動物の全身が入っているわけではない。動物が全く入っていないこともある」と話し、「われわれが把握しているのは、購入時の目録に書かれていることだけだ」と説明した。

 今回のX線調査で、ネコのミイラ2体のうちの1体と、魚とハヤブサのミイラは保存状態が極めて良いことが分かった。

 古代エジプトのミイラ作りは、今も謎に包まれている。コラン氏は、「ミイラの中の動物の状態を調べることにより、ミイラ職人の作業と動物のミイラ作りの工程を解明することが今後の目標になる」と述べた。

 また、エジプト学者でプロジェクト責任者のカサンドル・ハルテンシュタイン(Cassandre Hartenstein)氏は、「一番面白いのはこれから」で、「数週間のうちに、放射性炭素年代測定法を用いて正確な年代を割り出すとともに、DNA採取も行うだろう」と語った。(c)AFP