【1月30日 AFP】米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)は29日、スポーツ仲裁裁判所(CAS)がフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(Kamila Valieva、ロシア)にドーピング違反で4年間の資格停止処分を科したことについて、世界中のクリーンな選手にとっての勝利だと歓迎した。

 USOPCのサラ・ハーシュランド(Sarah Hirshland)最高経営責任者(CEO)は、「きょうは2年間待ち焦がれた日になった。米国チームの選手だけでなく、フェアプレーに励みクリーンな競技を提唱する世界中の選手にとっての重要な勝利だ」とコメントを発表した。

「われわれは今、選手たちが世界中の仲間たちと心から祝える日を待ち望んでいる。その瞬間は近づいており、そのときが訪れたら、それは彼らにとって真にふさわしい正義と評価の証しとなるだろう」

 カナダオリンピック委員会(COC)も「何年も続いたこの問題における重要な一歩」とCASの裁定を歓迎し、カナダ人選手の忍耐をたたえた。

 ワリエワは2022年2月に開催された北京冬季五輪で女子では五輪史上初の4回転ジャンプに着氷し、ロシア五輪委員会(ROC)の団体金メダルに貢献したが、その翌日にトリメタジジン(Trimetazidine)に陽性反応を示していたことが発覚。トリメタジジンは狭心症の治療薬だが、スポーツでは禁止薬物に指定されている。

 それから約2年が経過した今でも、国際オリンピック委員会(IOC)は団体戦のメダル授与式を行っておらず、同種目でROCに敗れた米国、日本、カナダの選手たちを大きく落胆させている。(c)AFP