【1月29日 CNS】2023年の冬至(12月22日)の前後、浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)の最高気温はわずか0度程度で、多くの市民は家にこもり外出をしたがらない。それでも、浙江省中医(中国伝統医学)病院の推拿(すいな)科は診察に来る人であふれている。

 記者が訪れたところ、杭州市の各大病院の中医推拿科の夜間診療、昼間診療、週末診療、そして街角の大小さまざまな推拿館には、若者の姿が目立っていた。

 つい最近、「推拿科の夜間診療が若者でにぎわっている」という話題が検索ホットワードにランクインした。「まだ若いのに推拿に夢中になるなんて思わなかった」「病院の推拿科は最高」「推拿館に行くお金を持ってないわけではないが、病院の推拿科の方が、コストパフォーマンスが良い」など、SNSでのネットユーザーたちの議論が加熱している。これに対し、推拿科の医師は「盲目的に流行に乗らないでもらいたい」と警告している。

 2022年11月、浙江省中医病院は推拿科の夜間診療を開始した。開始後1年以上が経ち、診療患者数は増え続け、その大半が若者で占められている。

 浙江省中医病院の宣伝・統一戦線部の関連責任者によると、病院の情報センターは2022年1〜9月の診療患者データを分析した結果、18歳から45歳までの診療患者が全体の約60パーセントを占め、60歳以上の患者は全体の10パーセント未満だったという。

 現在、浙江省中医病院の推拿科では、毎月の夜間診療の患者数が延べ2000人以上に上り、そのうち90パーセント以上が20歳から40歳の若者で、その多くが会社員だ。

 浙江省中医病院推拿科の郁継偉(Yu Jiwei)副主任は、推拿科の夜間診療が若者の診療ニーズを満たしていると見ている。「多くの若者は昼間は仕事で、週末は病院が非常に混雑していて、長時間待つ必要がある。夜間診療は昼間の診療ほど混雑しておらず、退勤後の若者が診療するのに便利だ」と、彼は述べている。

 データによると、中国での頚椎症の発病率は約15パーセントで、発病は年々増加し、若年化の傾向が見られる。浙江省中医病院推拿科の関連責任者によると、過去の臨床では、主な頚椎症患者は50歳以上の中高年だったが、現在では若者の受診率が70〜80パーセントに達しているという。

「若者の疾患の多発には、仕事の疲労が一因で、徹夜や運動不足も重要な原因だ」と、郁副主任は述べている。まず、良くない姿勢を改善し、長時間座り続けたり頭を下げたりすることを避けるべきだという。

「普段から、長時間座っているときは立ち上がってみたり、歩いてみたり、長時間同じ姿勢を保つことを避け、筋肉を適時にリラックスさせることが大切だ」と語る。また、若者には運動を強化し、良好な生活習慣を身につけることを勧めている。「疾病の発生は、根本から予防することが大切だ」と、彼は述べている。(c)CNS-北京青年報/JCM/AFPBB News