【1月29日 AFP】イングランドFAカップ(FA Cup 2023-24)は28日、4回戦が行われ、リバプール(Liverpool FC)は5-2でノリッジ・シティ(Norwich City)を下し、今季限りでの退任が発表されたユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督を4冠で送り出す可能性をつないだ。

 退任の発表から最初の試合で、ファンは試合前に「You'll Never Walk Alone」を熱唱し、感謝の横断幕を掲示してクロップ監督を迎えた。またこの日対戦したノリッジの指揮官は、ドイツ・ブンデスリーガのマインツ05(Mainz 05)で選手時代をともにしたデビッド・ワグナー(David Wagner)監督で、二人は試合前の通路で温かい抱擁を交わした。

 しかし試合が始まると、リバプールは容赦なくノリッジを攻め、クロップ監督がチャンスを与えた若手が輝きを放った。

 まずは先発デビューを飾った19歳のジェームズ・マコーネル(James McConnell)のクロスからカーティス・ジョーンズ(Curtis Jones)が先制点を決めると、ベン・ギブソン(Ben Gibson)のゴールで一度は追いつかれたが、コナー・ブラッドリー(Conor Bradley)の見事なドリブル突破からダルウィン・ヌニェス(Darwin Nunez)が今季公式戦11ゴール目を決め、すぐさま勝ち越した。

 後半にもロングボールのこぼれ球からジオゴ・ジョタ(Diogo Jota)が3点目を決めると、63分にはCKからビルヒル・ファン・ダイク(Virgil van Dijk)が力強いヘディングシュートを決めて4-1。その後、ノリッジのボルハ・サインス(Borja Sainz)に強烈なミドルシュートを決められたが、最後は後半アディショナルタイムにライアン・フラーフェンベルフ(Ryan Gravenberch)が5点目を挙げた。

 決勝まで勝ち上がった場合、クロップ監督にとってはその試合がリバプール最終戦となる。5回戦はホームでワトフォード(Watford FC)かサウサンプトン(Southampton FC)との対戦となり、突破が有力視されている。

 マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)は4部ニューポート・カウンティ(Newport County)に苦戦しながらも、4-2で劇的な勝利を収めた。2点のリードをふいにして金星を献上する恐れもあった中で、アントニー(Antony Matheus dos Santos)の今季初ゴールなどで格下を退けた。

 ブルーノ・ミゲル・フェルナンデス(Bruno Miguel Fernandes)の先制点とコビー・メイヌー(Kobbie Mainoo)のトップチーム初得点で前半に2点を先行したユナイテッドだが、4部で現在16位のニューポートも果敢に巻き返し、ブリン・モリス(Bryn Morris)が1点を返すと、後半にはウィル・エバンス(Will Evans)が驚きの同点ゴールを挙げた。

 それでもユナイテッドは不安定な中で、アントニーが3点目を奪取。元交際相手への暴行疑惑や不調に苦しんでいた伏兵が昨年4月以来のゴールを決めてチームを救うと、後半アディショナルタイムにラスムス・ホイルンド(Rasmus Hojlund)が勝利に花を添える4点目を決めた。(c)AFP/Kieran CANNING