【1月28日 AFP】ジェイク・サリバン(Jake Sullivan)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は27日まで2日間にわたり、タイ・バンコクで中国の王毅(Wang Yi)外相と会談した。米政府当局者らによると両者は台湾問題や、紅海(Red Sea)で商船への攻撃を繰り返しているイエメンの親イラン武装組織フーシ派(Huthis)への対応などをめぐり「率直かつ実質的な」意見交換を行った。

 ホワイトハウス(White House)によれば、会談は午前0時をまたぎ約12時間に及んだ。ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領と習近平(Xi Jinping)国家主席との電話会談に向け、地ならしをする形となったという。

 バイデン、習両氏は昨年11月、米サンフランシスコ近郊で会談。中国外務省は27日、「サンフランシスコ会談における合意項目の実行に向け、率直かつ実質的、実りのある戦略対話を行った」とする声明をウェブサイトに掲載した。

 ホワイトハウス高官も、会談について「意思疎通の維持と、責任ある競争の管理に向けた努力の一環」だと説明した。

 同高官によるとサリバン氏は王氏に対し、紅海でのフーシ派による攻撃をやめさせるようイランに圧力をかけるよう要請。また北朝鮮による最近のミサイル発射実験や、中国・ロシア関係の強化に関して懸念を伝えた。

 一方、中国外務省によると、今月行われた台湾総統選で中国による台湾統一を拒否する与党・民進党の頼清徳(Lai Ching-te)氏が勝利したことを踏まえ、王氏は「台湾における『地方選挙』(の結果)によって台湾が中国の一部であるという基本的な現実を変えることはできない」と述べた。(c)AFP