【1月27日 AFP】世界保健機関(WHO)は26日、同組織がパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で病院が「軍事利用」されている証拠を無視することでイスラム組織ハマス(Hamas)と「共謀」しているというイスラエルの主張に反論した。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長はX(旧ツイッター)で、「WHOがハマスと『共謀』し、ガザで拘束されている人質の苦しみを『見て見ぬふり』しているとのイスラエルの主張を否定する」「このような虚偽の主張は有害であり、弱い立場に置かれている人々に命懸けで奉仕している職員を危険にさらしかねない」と主張。

「WHOは公平であり、万人の健康と福祉のために活動している」と強調した。

 イスラエルのメイラブ・エイロン・シャハル(Meirav Eilon Shahar)駐ジュネーブ国連(UN)・国際機関常駐代表は25日、WHO執行理事会で、ハマスが「病院に潜伏し、人間の盾を利用」している限り、ガザに医療はあり得ないと主張。

「ガザでイスラエル国防軍が捜索したすべての病院で、ハマスが軍事利用していた証拠が見つかった」「これらは否定できない事実であるにもかかわらず、WHOは何度も無視することを選んだ。(WHOによるハマスとの)共謀だ」と主張した。

 テドロス氏のコメントを受け、エイロン・シャハル氏26日夜、「ハマスが病院を利用していた明らかな証拠がある」とXで再反論。

「(昨年)10月7日の残忍な虐殺の後、人質が医療機関に移送された事実」を示す証拠もあるとした上で、「当事者本人による証言と防犯カメラの映像も含まれている。『虚偽の主張』ではなく事実だ」と主張した。

 さらに、「ハマスを非難せず、ハマスが病院や民間地域に潜伏するのを阻止する行動を取らないことで、守るべき人々を危険にさらすことになる」とWHOに警告した。(c)AFP