【1月24日 AFP】国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は23日、イスラエルがパレスチナ国家と共存する「2国家解決」を拒絶する姿勢は容認できず、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での紛争長期化につながる恐れがあると警告した。

 グテレス氏は国連安全保障理事会(UN Security Council)の会合で、「イスラエル政府の最高指導部が先週、2国家解決を改めて明確に拒絶したのは容認できない」「2国家解決、パレスチナ人が国家を樹立する権利の否定は、紛争をいつまでも長引かせ、ひいては世界の平和と安全保障への大きな脅威となっている」と主張。

「(その結果、)二極化が進み、あらゆる場所で過激派を増長させることになる」「パレスチナ人が完全な独立国家を樹立する権利」を世界中で承認するよう求めた。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は2国家解決を拒んだことで世界中から批判を浴び、同国に巨額の軍事支援を行っている米国とも対立を深めている。

 イスラエル首相府は先週、イスラム組織ハマス(Hamas)の壊滅後も、イスラエルは「ガザの治安維持を担い続けなければならない」と述べた。その数日前にネタニヤフ氏は、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)全域の治安維持についてもイスラエルが担うべきだと発言していた。(c)AFP