【1月19日 AFP】米政府は18日、イスラエルの長期的な安全保障を確保するにはパレスチナ国家の樹立が唯一の方法だとする姿勢を改めて強調し、イスラエルとの見解の相違を鮮明にした。

 パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)とイスラエルの紛争後のガザの今後については、さまざまな疑問が渦巻いている。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は「ヨルダン(川)の西側の全領土について安全管理を徹底しなければならない」「これが必須条件であり、(パレスチナ側の)主権という考えとは相いれない」と言明した。

 この発言について質問を受けた米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー(John Kirby)戦略広報調整官は、米国とイスラエルの「見方は明らかに異なる」と述べた。

 前日にはアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官が、スイス・ダボス(Davos)で開催された世界経済フォーラム(WEF)で、「パレスチナ国家への道筋」が必要だと改めて訴え、さもなくば「真の安全保障は得られない」と語っていた。

 これに対しネタニヤフ氏は18日、「イスラエルの首相たる者は、たとえ親友に対しても、必要なときにはノーと言えてしかるべきだ」と述べた。

 先週中東を訪問したブリンケン氏はイスラエル当局に対し、アラブ諸国はサウジアラビアを含めて、ガザの再建と未来のパレスチナ統治を支援するだろうが、それはイスラエルがパレスチナ国家樹立への道を切り開くことが条件になると指摘。

 その上で、有効なパレスチナ自治政府は「イスラエルの徹底した反対ではなく、支援、援助があってこそ」運営され得るとして、双方の協力を促した。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領とネタニヤフ首相の関係の複雑さは知られており、ここ数週間は直接の対話もない。(c)AFP