【1月19日 AFP】英ロンドン動物園(London Zoo)で17日午前、絶滅の危機に瀕(ひん)しているニシローランドゴリラの赤ちゃんが生まれた。17分のスピード出産だったという。

 ニシローランドゴリラは西アフリカと中部アフリカの熱帯雨林に生息し、絶滅の危険性が高いとされている。ロンドン動物協会(Zoological Society of London)によると、生息数は過去25年間で60%以上減少しており、森林伐採、密猟、病気が三大要因とされる。

 出産直後の午前9時30分ごろに母ゴリラの「ムジュクー」が、生まれたばかりの子どもを抱いていて、その周りに新たな仲間を見ようと若い個体が駆け寄るのが確認された。

 巣穴に設置された監視カメラで妊娠中の母ゴリラの観察を続けてきた飼育担当者によると、カメラにも「生まれたばかりの赤ちゃんを優しく抱く」母ゴリラの姿が捉えられていた。

 父ゴリラ「キブリ」は、ニシローランドゴリラの国際的な保護繁殖プログラムの一環として、2022年11月にスペインのテネリフェ(Tenerife)島からロンドン動物園にやって来た。

 赤ちゃんの性別はまだ分からず、名前も決まっていない。

 ニシローランドゴリラは毛が茶色がかった灰色で、胸は赤褐色をしており、他のゴリラの亜種よりもやや小さい。顔つきは頭蓋骨が広く、眉毛の隆起が目立ち、耳は小さい。「シルバーバック」といわれる、立つと182センチにもなる雄のボスが率いる集団で生活する。

 世界自然保護基金(WWF)では世界の個体数を約10万頭と推定している。(c)AFP