【1月17日 Xinhua News】百年以上姿を消していた中国固有の固着性淡水巻き貝「江旋螺」がこのほど、広西チワン族自治区の河池市や桂平市の川の中にある岩で見つかった。ドイツのベルリン自然史博物館や北京大学など複数の機関の研究者が共同で発見、研究成果は学術誌「英国王立協会紀要B生物学」に掲載された。

 論文の共同筆頭著者を務めたドイツのベルリン自然史博物館の張楽嘉(ちょう・らくか)博士は現在、雲南省昆明市で巻き貝の研究をしている。張氏によると、中国固有種の江旋螺は、固着習性を持つ世界で唯一の淡水巻き貝で、海水中のカキのように岩の表面にしっかりと固着することができる。百年余り前にフランス人が「中華江旋螺」に関する発見を発表して以来、この独特のグループが採取、報告されることはなかった。

 研究者らは今回、広西チワン族自治区の竜江や黔江(けんこう)、潯江(じんこう)の川中にある石灰岩で、百年以上姿を消していたこのグループを発見すると、タイプ標本との比較を経て、この新種を「劉氏江旋螺」と命名。その独特の固着習性と性的二型(性別による形質の大きな違い)について研究を進めた。

 研究によると、この種は雌だけが岩に固着する習性を持つ。元の殻口(かくこう、殻の開口部)が固着で閉ざされるため、摂食や排泄、交配などの生理学的活動のため、雌には第二の殻口が発達している。一方、雄は一般的な巻き貝の形態と一つの殻口を備え、自由に動き、雌を見つけて交配、繁殖することができる。分子レベルと形態レベルの総合的な研究の結果、劉氏江旋螺が中華江旋螺と異なる新種であることも裏付けられた。また江旋螺がエゾマメタニシ科(Bithyniidae)に分類されるべきであることも再確認された。(c)Xinhua News/AFPBB News