【1月17日 Xinhua News】フランス・パリに本部を置く国際エネルギー機関(IEA)がこのほど発表した年次市場リポート「再生可能エネルギー2023」によると、23年に世界で新規導入された再エネ設備容量は前年比50%増の510ギガワットとなり、太陽光発電がその4分の3を占めた。

 国・地域別に見ると、新規導入された設備容量は中国が世界に先行し、うち風力発電が66%増加、太陽光発電が22年の世界全体と同規模だった。欧州、米国、ブラジルの新規導入容量も過去最高を更新した。

 リポートは、世界の再エネ設備容量が向こう5年、かつてない急増期を迎えると予測。現在の政策と市場条件では、世界の再エネ設備容量が23~28年に7300ギガワットに達し、再エネは25年初めに世界で最も主要な電源になるとした。

 IEAのファティ・ビロル事務局長は、国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)で掲げられた「再エネの設備容量を30年までに3倍とする」誓約に向けて世界がまい進しているが、現在の政策と市場条件では、再エネ設備容量の伸びは誓約の達成に不十分だと指摘。世界の多くの国では、陸上風力発電と太陽光発電が化石燃料発電に比べ、コスト面で優位性があり、誓約を達成する上での最大の課題は、大多数の新興国と発展途上国でいかにして再エネの資金調達と展開を迅速に拡大することにあると述べた。

 リポートはまた、グリーン水素エネルギーの先行きについて、過去10年で多くの関連プロジェクトが発足したが、投資の進度が緩やかで、生産コストが高いなどの制約により、30年までに稼働可能な生産能力は計画のわずか7%にとどまるとの見通しを示した。(c)Xinhua News/AFPBB News