【1月15日 AFP】サッカートルコ1部リーグでプレーするイスラエル人選手が、試合中に同国とイスラム組織ハマス(Hamas)の軍事衝突に関するメッセージを示して逮捕されたと、複数のトルコメディアが14日に報じた。

 逮捕が伝えられたのは、イスラエル代表で8試合の出場経験を持つアンタルヤスポル(Antalyaspor)所属のサギブ・イェヘスケル(Sagiv Jehezkel)。イェヘスケルは14日のトラブゾンスポル(Trabzonspor)戦でゴールを決めた後、左手のテーピングに書かれた「100日 10月7日」というメッセージを示した。

 このメッセージは、ハマスがイスラエルに攻撃を仕掛けて衝突が始まり、人質が拘束された昨年10月7日から100日が経過したことを指しているとみられる。攻撃ではイスラエル側で1000人以上の犠牲者が出て、250人近くが人質となった。イスラエルは、今も132人がガザ地区(Gaza Strip)で拘束されていると話している。

 一方でガザ地区の保健省によれば、こちらでは報復に出たイスラエルの空爆で2万3000人以上が犠牲となり、その多くは女性と子どもだという。

 報道に先立ち、トルコ司法省は捜査に着手したことを発表。ユルマズ・トゥンチュ(Yilmaz Tunc)大臣がX(旧ツイッター)で「アンタルヤ(Antalya)の検察局が、イスラエルのサッカー選手サギブ・イェヘスケルに対する捜査を開始した。イスラエルによるガザ地区での虐殺を肯定するようなセレブレーションを行い、人々の憎悪をあおった疑いが持たれている」と明かしている。

 アンタルヤスポルは、「わが国の価値観に反する行動を取った」としてすでにイェヘスケルを解雇した。

 以前から親パレスチナで知られるトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、衝突の開始以降、イスラエルを「テロ国家」、ハマスを「解放者の集団」と繰り返し呼んでいる。(c)AFP