【1月15日 AFP】20年前に韓国・大邱(Daegu)でチェさんが飲食店を構えた頃、犬肉料理は実入りのいい商売だった。だが犬肉の販売などを禁じる法案が可決された今、店を畳むことも考えているという。

 七星(Chilseong)市場の一角にあるチェさんの店では、蒸したり、スープで煮込んだりした犬肉をメインに、滋養強壮に効くとされる韓国の伝統料理を出している。

 韓国では、若者が犬を食用ではなくペットとして見なすようになり、近年では犬肉の消費量が急減していた。

 チェさんは10日、店内でAFPの取材に応え、「いろんなことが劇的に変わった」と話した。

「かつて人気だった頃は、1日当たり30〜40匹分もの犬肉が売れていたが、今では平均1、2匹だ」と話した。

 韓国議会は9日、犬肉の処理および販売、食用を目的とした犬の繁殖を禁止する法案を可決。同法は、3年間の猶予期間を経て施行される。

 チェさんによると、近年では世論が犬肉禁止支持に傾き、市場の犬肉業者は動物愛護団体から継続的に嫌がらせを受けるようになった。活動家らは店の前で抗議デモを行い、暴言を吐いたという。

 チェさんはAFPに「あれはかなりつらかった。犬肉スープを出す私たちは、人間扱いされなかった」と吐露した。

 チェさんによると、長年に及ぶ激しい抗議によって客数が減った。禁止の施行後は、豚のスペアリブのスープを提供することを考えている。

 しかし、新法が可決された翌日には、ここ数か月の平均的な日よりも多くの客が入ったという。

 犬肉を扱う別の店を訪れた高齢の男性客は、犬肉は頻繁に食べないが、3年後に禁止法が施行されれば二度と食べられないかもしれないと思って来店したと話した。

 また70代の別の男性客は、犬肉が食べられなくなっても構わないが、「鶏、豚、牛はみんな命ある動物だ。犬肉だけ禁止することには反対だ」と指摘した。(c)AFP/Sunghee Hwang