【1月9日 AFP】ブータンで9日、国民議会(下院)本選の投票が行われた。若年層の失業や観光業の低迷など各種の経済問題に直面する中、本選に臨んだ国民民主党(PDP)と縁起党(BTP)は、水力発電部門への投資誘致などを有権者に訴えた。投票は午後5時に締め切られ、結果は10日に発表される見通し。

 国民議会予備選は昨年11月に実施され、政権与党および議席を持つ野党が敗退。国民民主、縁起の2党が本選に進んでいた。

 世界銀行によると、ブータンでは若年層の失業率が29%に達し、過去5年間の経済成長率は平均1.7%にとどまっている。主要な外貨獲得源である観光業も、新型コロナウイルス禍による打撃から依然、回復していない。

 国民民主党がブータン国民8人のうち1人が「食料など基本的なニーズを満たせていない」とマニフェストで指摘するなど、「国民総幸福量(GNH)」という指標を掲げ、経済の豊かさよりも心の幸せを重視する政策への信頼は揺らぎつつある。(c)AFP