【1月10日 CGTN Japanese】中国と米国の科学研究者はこのほど、共同研究の結果、グラフェン(最強の結合で構成された炭素原子のシート)から成る世界初の機能性半導体の研究開発に成功しました。研究者によると、この成功は、より小さく、より速く、より高効率の電子機器の開発に道をつけるもので、新しい電子時代の到来を示唆しています。関連する論文は国際学術誌のネイチャーで発表されました。

 半導体は電子機器の基本部品です。現代の電子機器のほぼすべてが、シリコンベースの半導体に依存しています。しかし、電子機器の一層の小型化に伴い、処理機能の一層の高速化が求められつつあり、シリコン半導体は物理的機能の限界に達しています。そのため、量子チップや炭素基チップなどが次世代半導体の研究開発における新しい方向性とみられています。

 天津大学の馬雷教授と米ジョージア工科大学のウォルター・デ・ヘール教授が率いる研究チームは、特殊な炉を使って炭化ケイ素ウェハー上にグラフェンを成長させる方法を発明し、それを実現しました。この方法で形成されたエピタキシャル・グラフェンを適切に作製すると、炭化ケイ素と化学的に結合し、半導体の性質を示すようになることを発見しました。

 測定によりますと、グラフェン半導体の室温電子の移動度はシリコンの10倍で、より迅速な処理によって、GPUやCPUなどの電子機器がより高速に機能することができます。また、グラフェン半導体には、従来の材料と強大な科学的、機械的、熱的機能があることから、電子機器の耐用性と安全性が一層増します。

 研究チームによりますと、同研究は今後のグラフェン半導体電子学の実用化に重要な意義がありますが、グラフェン半導体の一般使用までにはあと10~15年かかるとみられます。(c)CGTN Japanese/AFPBB News