【1月9日 AFP】米アラスカ航空(Alaska Airlines)の旅客機が5日、西部オレゴン州ポートランド(Portland)から離陸後、窓など機体の一部が吹き飛んだ事故で、米国家運輸安全委員会(NTSB)は7日、同州の学校教師が自宅の裏庭で事故機のドアの一部を発見したと発表した。

 米連邦航空局(FAA)によると、アラスカ航空1282便は5日、ポートランド国際空港(Portland International Airport)を離陸後、まだ高度を上げている最中に客室乗務員から「与圧の問題」が報告され、すぐに同空港へ引き返した。乗客乗員は無事だった。

 SNSに投稿された画像には、サイドパネルが吹き飛んだ場所に開いた穴や、天井からぶら下がる緊急時用の酸素マスクが写っていた。

 NTSBのジェニファー・ホーメンディ(Jennifer Homendy)委員長は会見で、発見されたのは「ドアプラグ」だと述べた。ドアプラグとは、座席数が少ない機体で不要な非常口をふさぐためのカバーパネル。

 この事態により、世界中の航空会社や安全機関は事故機と同じ米ボーイング(Boeing)の「737MAX9」の一部について、緊急点検のため一時運航停止させた。

 FAAはX(旧ツイッター)で「特定のボーイング737MAX9について、飛行再開前に速やかに検査を行うよう求めている」と述べた。全世界で171機が影響を受けたという。検査は1回当たり4~8時間かかる。

 事故機に搭乗していた乗客の一人は米CNNの取材に対し、事故は離陸直後に発生したと語った。「本当に突然だった。高度が上がったところで、窓か壁が飛び出した」

 NTSBはパネルに近い二つの座席には誰も座っていなかったと説明しているが、現地紙オレゴニアンは乗客の話として、この列に座っていた少年が突然の減圧でシャツを裂かれ、軽傷を負ったと報じた。

 航空業界誌アビエーションウィークによると、航空会社が同型機で座席配置数の少ないモデルを選択した場合は、この部分の非常ドアを密閉することができる。内側からは普通の窓のように見える。

 737MAXシリーズは、2018年と19年に相次いで墜落事故を起こし、計346人が死亡。世界中で運航が一時停止されていた。

 映像はNTSBが公開したもの、9日提供。(c)AFP