【1月7日 AFP】バングラデシュで7日、総選挙の投票が始まった。主要野党がボイコットを表明する中、シェイク・ハシナ・ワゼド(Sheikh Hasina)首相(76)が5期目続投を確実なものとする見通しだ。

 後発開発途上国(LDC)に分類されるバングラデシュの経済はハシナ政権下で急成長。その一方で、政権による人権侵害や反政府運動への弾圧に対する反発も根強い。

 バングラデシュ民族主義党(BNP)など野党は昨年、ハシナ首相に退陣を求めて抗議行動を数か月にわたって繰り広げた。BNPによると、政権はこれを厳しく取り締まり、党幹部ら約2万5000人が逮捕された。政府は逮捕者は1万1000人だとしている。

 そうした中、首都ダッカ中心部で5日夜に走行中の列車が炎上した事件に絡み、警察は6日、総選挙の妨害を図って放火したとしてBNPなど野党関係者7人を逮捕した。事件では4人が死亡、8人が負傷した。

 主要野党は、総選挙はハシナ首相の長期政権化を狙った「偽りの選挙」だとしてボイコットを表明している。

 その結果、ハシナ首相率いる与党・アワミ連盟(AL)の候補者は、有力な対立候補が事実上不在の中で投票を迎えることになる。ただ、同党は一部で候補者を擁立しなかった。一党独裁政権になるのを回避するのが狙いとみられる。(c)AFP