ソウルのある駅近くに撒かれた扇情性不法チラシ(c)news1
ソウルのある駅近くに撒かれた扇情性不法チラシ(c)news1

【01月05日 KOREA WAVE】「江南ハイファブリック」「女子大生シャツルーム無限チョイス」「1対1遊興治療」……。先月15日午後7時。ソウル市松坡区蚕室(ソンパグ・チャムシル)セネ駅近くの飲食店街には、このようなフレーズと軽装の女性の写真が印刷されたチラシが散らばっていた。江南区(カンナムグ)彦州(オンジュ)駅近くの歩道にも、同様の写真や電話番号が書かれた青いチラシ数十枚が散らばっていた。

チラシを撒く「配布族」は通常2人1組でバイクで移動する。突然現れ、道路に無差別にチラシを撒いて逃げる。近隣住民らは毎晩現れる風俗店のチラシによって都市の美観が損なわれ、ゴミがさらに増えると訴えた。自分たちの幼い子どもたちが、このようなチラシを見たらどうしようという心配もある。

松坡区新川洞(シンチョンドン)に住む住民A氏は「性売買業者のチラシが、大通り沿いに公然とばら撒かれている光景は正常ではない。毎朝、美化員が掃いてもなくならない。より根本的な制裁が必要ではないか」と話した。

性売買業者へのビラ散布を根絶するためには、広告主である業者を処罰しなければならない。しかし、問題は、単なる流布者は検挙が難しいという点だ。たとえ流布者を検挙しても、役割が分業化されており、流布者自身も広告主が誰なのかもわからない。チラシに書かれた文言も法的処罰を避けることができる巧妙なものがほとんどだ。

2008年から導入されたソウル市の民生司法警察団(行政機関の公務員に司法警察権を付与し、検事の指揮を受けて捜査して検察に送致できる制度)と自治区ごとの取り締まりチームも、歓楽街を中心に平日の昼や夜間に抜き打ちで監視している。だが取り締まりの実績は遅々として上がらない。青少年保護法によって、性売買の疑いがある業者の不法チラシ捜査権限を持つ民生司法警察団が昨年検挙した人のうち、刑事立件は0件だ。

◇瞬く間にチラシを撒いて消える

性売買業者の疑いがあるチラシに書かれた番号に電話をかけても、業者関係者に直接つながるわけではなく、仲介業者である場合が多い。仲介業者が印刷業者と性売買業者をつなぎ、オンラインと宅配便で取引される。捜査を逃れるために、チラシの番号に電話をかけると、また別の番号から電話がかかってきて、実際に不法業者の関係者にたどりつくのは極めて困難だ。

民生司法警察団は、流布者を検察に送致できる。同警察団の関係者は「不法チラシの配布は極めて組織化されており、内偵捜査を継続中だが、刑事処分で立件されたものはない」としている。

自治区も現場摘発に乗り出すが、効果は限定的だ。区役所に届け出されていないカラオケなどの一般風俗店のチラシは摘発ができるものの、過料以上の行政処分を下すことができない。江南区庁によると、昨年、不法ビラ配布者に対する行政処分で、過料を科した件数は75件(12月11日時点)だ。

江南区庁関係者は「チラシはチーム単位で散布され、チーム当たり平均1万枚余りを所持している」と話し、昨年回収された不法チラシは22万~23万枚に上るという。

一方、扇情的な写真と電話番号が入った「性売買疑惑業者不法チラシ」の場合は、自治区が捜査機関に告発し、刑事訴追することができるが、容易ではない。江南区庁関係者は「チラシに性売買関連情報が入っていることが必要だが、表現が曖昧な場合も多く、告発が難しい。結果的に不法チラシに対する過料処分が大多数だ」と話した。

広告チラシの種類はさまざまだが、区役所の許可を受けていないビラを配布すると、すべて処罰対象になる。

各自治区によって基準が異なり、大きさによって1枚当たり5000ウォン以上、5万ウォン以下の罰金が科せられる。

一方で、売春斡旋チラシのようなわいせつチラシは、屋外広告物法第5条と青少年保護法第19条によって厳格な処罰を受ける。屋外広告物法第20条の規定で、わいせつな内容のビラや、退廃的な内容や青少年の保護・先導を妨害する恐れがある不法ビラについては、製作・配布した者に最大500万ウォンの過料が賦課される。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News