【1月4日 AFP】エチオピアは1日、ソマリアから半独立状態にある「ソマリランド共和国」との間で、同共和国の海運サービスや軍事施設へのアクセスに道を開く覚書に調印した。ソマリアは主権侵害だとして反発しているが、エチオピアは3日、違法ではないと反論した。

 覚書の内容は広範にわたり、エチオピアがソマリランドから総延長20キロの海岸線を50年間、租借することも盛り込まれた。内陸国エチオピアが紅海(Red Sea)へのアクセスを確保できることになる。

 これを受けソマリアは、「いかなる法的手段」を使ってでも自国領を守ると宣言。この問題を協議するための国連安全保障理事会(UN Security Council)緊急会合の開催を求めるとともに、アフリカ連合(AU)に対しても、エチオピアによる「侵略」をめぐる協議を要請した。

 アラブ連盟(Arab League)やエジプトはソマリアの立場に支持を表明。一方エチオピアは、ソマリランドとの間では他の国も協定を締結したことがあるとして、覚書を擁護している。

 英国の保護領だったソマリランドは、1991年にソマリアからの独立を宣言。国際的には承認されていないが、憲法と政府、治安部隊を持ち、通貨を導入している。人口は約450万人。

 ソマリアは政情が不安定なこともあり、ソマリランドへの支配は及んでいない。(c)AFP/Tanya WILLMER with Mustafa HAJI ABDINUR in Mogadishu