修学能力試験の受験生たちが試験の準備をしている=京畿写真共同取材団(c)news1
修学能力試験の受験生たちが試験の準備をしている=京畿写真共同取材団(c)news1

【01月03日 KOREA WAVE】試験時間の1分短縮は、若者の人生にどれだけ影響を与えたのか――。

2024学年度の大学修学能力試験(修能)があったソウル京東(キョンドン)高校で、1時間目の試験終了のベルが約1分早く鳴った。この事故を受け、受験生39人が国を相手取って、1人当たり2000万ウォンの損害賠償訴訟を起こしたのだ。

修能は、その後の人生を決する重要な試験だけに、関連した訴訟がたびたび起きている。出題ミスに関するものが最も多いが、試験の管理体制に関するものも少なくない。

国家責任が認められたケースも数例あるが、受験生に対する慰謝料の支払いの他に、大学入試選考での救済までは認められていない。

今年の京東高校と最も類似しているのは、2021学年度修学能力試験の際、ソウル市江西区(カンソグ)の女子高校で発生したベルのエラー事故だ。

当時、担当の教師がベルの時間を誤って設定し、試験場では4時間目の探求領域1選択科目が終わる約3分前にベルが鳴ってしまった。他の教師は事故発生2分後、直ちに「試験時間を2分延長する」と案内放送をした。このため、探求領域2選択科目試験も2分遅れて始まった。

同校で修学能力試験を受けた生徒8人とその保護者たちは、国とソウル市、担当教師を相手に損害賠償を求めて訴訟を起こした。昨年4月にあった2審で裁判所は、国家が受験生に慰謝料として1人当たり700万ウォンの支払いを命じる判決を下した。

2010学年度修学能力試験当時、ソウルのある試験場では3時間目の外国語(英語)のリスニング評価中、放送施設が故障し、筆記評価中にリスニング評価を実施したこともあった。

試験を受けたある受験生は、「3時間目はもちろん、次の試験もまともに受けられなかった」と、ソウル市を相手取って民事訴訟を起こした。

裁判所は「放送施設を事前に点検し、公正に試験を受けられるようにする注意義務を疎かにし、受験生に相当な混乱をもたらしたため、損害を賠償しなければならない」として受験生に200万ウォン、保護者に各50万ウォンの慰謝料を賠償するよう命じた。

2016学年度修学能力試験では、ある監督官のミスで一日中、時計なしで試験を受けることになった受験生が損害賠償請求訴訟を起こした。

残り時間の表示機能だけを持つ時計は持ち込み禁止物品に含まれていないが、監督官が勘違いして使用を禁止したことによるものだ。裁判所は当時、「国は受験生に対し、500万ウォンを賠償せよ」と命じる判決を出した。

いずれの裁判も受験生が勝訴したが、慰謝料以外に大学入試で具体的な救済を受けることはできなかった。事故がなければ、より高い成績をあげられたであろうという蓋然性が証明できないという理由からだ。【news1 ソ・ハンセム記者】

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