裸で椅子に数時間…仏人気シェフのレストランで新人「しごき」疑惑
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【12月29日 AFP】仏高級ホテルに入っているレストランの人気シェフが、突然離職した。ホテル側が28日、発表した。このレストランをめぐっては、従業員を裸で数時間椅子に縛り付けるなどの新人「しごき」を行なっていた動画の存在が報じられていた。
バイヨンヌ(Bayonne)検察はAFPに、性的暴行と暴行の容疑で予備捜査を開始したと話した。
問題が起こったのは、仏南部ビアリッツ(Biarritz)の高級ホテル、オテル・デュ・パレ(Hotel du Palais)にある、オレリアン・ラルジョー(Aurelien Largeau)氏(31)の名を冠したレストラン。ミシュラン(Michelin)の星も獲得している。
ラルジョー氏は、しごきを否定している。
同ホテルを所有する高級ホテル大手ハイアット(Hyatt)の広報担当者はAFPに、インターネットで拡散された「悪質な出来事」について報告を受けていると述べたが、動画の内容については触れなかった。
地元紙スッドウェスト(Sud Ouest)は動画は、厨房(ちゅうぼう)で行われた新人に対するイニシエーション(通過儀礼)だと報じている。
動画には洗い場などを担当する「キッチンハンド」と呼ばれる新人が数時間にわたり椅子に裸で縛り付けられている様子が映っていた。口にリンゴ、肛門にニンジンが挿入されている状態で、ラルジョー氏を含むシェフ全員がそれを眺めていた。
この動画はすでに削除されている。
スッドウェスト紙によると、この行為はラルジョー氏の権限で行われたもので、同氏も立ち会っていた。
一方、ラルジョー氏はラジオ局の取材に対し、こうした疑惑は「名誉毀損で真実ではない」と「強く」否定。弁護士と弁護の準備していると話した。
ハイアットの広報担当者は「今回の出来事はわれわれの掲げる価値観を反映していない」「調査を行い、適切な判断を下した」と述べた。
オテル・デュ・パレは海岸沿いに立つ五つ星ホテルで、1泊平均400ユーロ(約6万3000円)以上する。
フランスの法律では「しごき」や「新人いじめ」は禁じられているが、報道によると飲食店では今も行われていることがある。こうした慣習について、新人が仕事のプレッシャーに耐えられるか試すためだと擁護する声もある。
近年では、飲食店の厨房における暴力撲滅キャンペーンを立ち上げる料理人も出ている。(c)AFP