【12月29日 AFP】仏パリ東郊の町モー(Meaux)のアパートで25日、女性(35)とその子ども4人の遺体が発見された事件で、殺害を認めた夫(33)が「やってしまえという声」を聞いたと供述していることが、検察の話で明らかになった。

 警察は26日、ハイチ出身の妻(35)と生後9か月、4歳、7歳、10歳の実子4人を殺害した容疑で、配管工の夫を逮捕した

 モーの検察官は27日に発表された検視結果を引用し、母親と7歳、10歳の娘は「それぞれ約10か所」を極めて乱暴に刺されていたと述べた。4歳と生後9か月の男児の死因は「溺れたことによる窒息死」だった。

 夫は自分の父親も殺すつもりだったと供述したことから28日、加重殺人および殺人未遂の罪で起訴された。取り調べでは妻子を殺害した動機を説明することができず、殺害後は「何も感じず、むなしかった」と話しているという。

 夫は2017年からうつ病と精神障害的行為の治療を受けていたが、19年以降「毎日服用していた」薬を24日には服用しなかった。19年には、結婚前で第3子を妊娠中だった妻の肩を刺し、自殺を図る騒ぎを起こしていた。

 上階の住民は24日から25日にかけて、階下から叫び声が聞こえたと証言している。血痕を見たとの証言もあった。

 男は隣の街スブラン(Sevran)にある実父の家の近くで逮捕された。

 実父は現地メディアに「息子は子どもと妻を愛していた。自分がしていることが分からず、無意識のうちにやったのかもしれない」と語った。

 また姉は弟夫婦について、高校時代の同級生で14年間連れ添い、今年10月に結婚したばかりだったと話した。殺害された妻については「いつも弟のそばにいて、守ってくれた。薬の管理や診察の予約などをしてくれていた」「非常に強い女性だった」と語った。(c)AFP/Maryam EL HAMOUCHI