【12月26日 AFP】アフガニスタンの首都カブールで25日、50組のカップルの合同結婚式が執り行われた。伝統的な結婚式は多額の費用がかかるため、合同で式を挙げて、費用を抑えようとする人が増えている。

 2021年8月に実権を掌握したイスラム組織タリバン(Taliban)は音楽や踊りを実質的に禁止し、結婚式は地味になっている。

 イスラム教シーア派(Shiite)少数民族ハザラ(Hazara)人のローフラ・レザイさん(18)はAFPに、自分たちだけの式を挙げるお金がなかったとAFPに話した。

「伝統的な結婚式は20万〜25万アフガニ(約40万〜50万円)かかるが、ここだと1万〜1万5000アフガニ(約2万〜3万円)だ」という。この日は自分と妻の親族35人を招待した。

 ゴール(Ghor)州出身で便利屋として働くレザイさんの1日の稼ぎはわずか350アフガニ(約700円)だ。

 この合同結婚式を企画したセラブ基金(Selab Foundation)は、新婚夫婦に1600ドル(約23万円)相当を提供する。最貧国の一つであるアフガニスタンでは大金だ。

 また式後にはケーキのほか、歯磨き粉、シャンプー、保湿剤のセットや、新居のためのじゅうたん、毛布、家電などが贈られる。

 25日の式には600組の応募があった。今回当選した人のうちには、3年待った人もいた。

 式では勧善懲悪省の担当者が演説し、イスラム教の聖典コーランを読み上げる場面もあった。

 一方、新婦らは別棟で待機し、記者らが近づくことは禁止された。

 昼食後に、全身ベールで覆われた新婦らが登場した。

 アフガニスタンの結婚式は、大規模なものでは1000人以上を招き、費用が2万ドル(約280万円)以上かかることもある。(c)AFP/Pascale TROUILLAUD and Abdullah HASRAT