【12月26日 AFP】世界保健機関(WHO)の職員が25日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の病院を訪問し、イスラエルによる空爆の被害者らが置かれた「悲惨な」状況について確認した。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長はX(旧ツイッター)に「WHOのチームは、医療従事者や被害者から、爆発による被害に関する悲惨な証言を得た」と投稿。「ある子どもはキャンプへの攻撃で家族全員を失った。同病院の看護師も同じ目に遭った」とつづった。

 ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)の保健当局は、24日夜にマガジ難民キャンプ(Al-Maghazi)内の建物3棟がイスラエルによる空爆を受け、少なくとも70人が死亡したと発表した。AFPは死者数について独自に確認できていない。

 ガザ中部デイルアルバラ(Deir al-Balah)のアクサ殉教者病院の敷地には、白い袋に入れられた犠牲者の遺体が多数並べられていた。病院職員は、キャンプへの攻撃の負傷者約100人が病院に搬送されてきたと報告している。

 テドロス氏は、病院の処理能力を超えており「治療が間に合わず、多くが命を落とすだろう」とし、「24日のガザへの爆撃は、直ちに停戦すべき理由をはっきりと示している」と語気を強めた。

 WHOによると、ガザ地区の病院36施設のうち現在でも稼働しているのは、限定稼働の施設を含む9施設のみとなっている。(c)AFP