【12月30日 CNS】1980年生まれの王錫(Wang Xi)さんは、山東省(Shandong)出身の済南市(Jinan)中医院の医師だった。2018年5月、王さんは重慶市(Chongqing)武隆区(Wulong)中医院に医療支援のために赴き、それ以来、武隆と深い縁を結んだ。 

 2020年、武隆区は高度人材受入実施計画を発表し、同年9月、王さんは高度人材の受入対象として山東から千里を越え、家族全員で武隆に移住した。 

 生態資源が豊富な武隆区は森林の被覆率が65パーセントで、200種以上の高山野生蜜源植物があり、ミツバチ産業の発展にとって良好な環境を提供している。2022年、同区はミツバチ産業の大々的な発展を計画し、その中で健康養生と組み合わせた蜂針療法の発展を提案した。 

「蜂針療法は国内外で長い歴史を有し、現在、中国の沿海地域での発展は比較的成熟している」。2022年9月、王さんは所属している診療科のメンバーを連れて広東省(Guangdong)、福建省(Fujian)に研修に行き、「嶺南無痛蜂針療法」の診療方法、操作方法などの技術を武隆に持ち帰った。今年2月、西南地区初の蜂針療法特殊外来が武隆区中医院で正式に開設された。

 王さんは、蜂針療法は中医学の経絡理論を組み合わせ、特定のツボや部位を定め、ミツバチの尾端部の針を局所的に皮膚に刺すことで、病気の治療と健康維持の目的を達成し、針、薬、きゅうの三つの効果を兼ね備えていると説明している。

「蜂針療法は、基層医療機関の医療水準を向上させ、より多くの患者を救うだけでなく、武隆の健康産業の発展を推進した」と、王さんは述べている。蜂針療法は、蜂針治療のほか、蜂製品療法も含まれており、例えば、蜂毒、蜂蜜、ローヤルゼリーを取り出して製剤を開発し、健康食品を作るなど、応用の可能性は非常に広いのだという。

 今年5月、王さんをリーダーとする武隆区党外知識人王錫スタジオが設立された。この6人の医療スタッフで構成されたスタジオは、蜂針療法の特殊外来を広め、武隆地区の医療技術レベルを向上させ、市民の医療環境を改善することに尽力している。王さんの推進により、第4回世界蜂針療法大会が武隆区で開催され、蜂針療法は同区で健康産業チェーンを強化する強力な推進力となった。 

 近年、武隆はトウヨウミツバチ産業の発展を基に、産業チェーンを延長し、それを健康産業と結びつけ、積極的に中医蜂針療法を発展させている。現在、同区のトウヨウミツバチ飼育規模は15万2000群に達し、年間蜂蜜生産量は600トン、総合年間生産高は60億元(約1211億3280万円)に達している。次のステップとして、武隆は「蜂文化観光」全産業チェーンの統合発展の方針を堅持し、蜂針療法体験を特色とし、蜂製品と蜂探究学習を補完する全国蜂文化観光の統合発展モデル区の構築を加速させていく。(c)CNS/JCM/AFPBB News