【12月25日 AFP】イエス・キリスト(Jesus Christ)生誕の地とされる、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のベツレヘム(Bethlehem)では、クリスマスイブの24日、例年の行事が自粛され街は閑散とし、教会に礼拝に訪れる人もまばらだった。

 今年は教会指導者が、ガザ地区(Gaza Strip)住民に連帯を示し、「不必要に華美な祝い」を自粛することを決定。

 カトリック教会のピエルバティスタ・ピザバラ(Pierbattista Pizzaballa)ラテン・エルサレム総大司教はこの日、ベツレヘムの聖誕教会(Church of the Nativity)を訪れ、「私たちの心はガザと、ガザにいるすべての人々と共にある。特に、苦難に直面しているガザのキリスト教徒に思いを寄せている」と表明。

「私たちはここで祈りをささげる。ただ停戦を求めるだけではない。それだけでは不十分だ。暴力は暴力しか生み出さない」と述べた。

 イスラエル軍が攻撃を強化しているガザ南部ハンユニス(Khan Yunis)の病院で人工透析中に取材に応じた男性は、以前は家族でベツレヘムを訪れる許可を得てクリスマスを祝っていたが、今年は祝わないと話した。

「喜びはない。クリスマスツリーも飾り付けも家族とのディナーも、祝い事もなしだ」とし、「この戦争が早く終わるよう祈っている」と語った。

 イスラエル当局が発表した数字に基づくAFPの集計によると、イスラム組織ハマス(Hamas)は10月7日の越境攻撃で民間人を中心に約1140人を殺害、250人を拉致した。

 一方、ガザの保健当局は、大規模な空爆を含むイスラエルの軍事作戦による死者は2万424人に上り、その大半は女性と子どもだとしている。(c)AFP