【12月25日 AFP】サッカーイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)は24日、英資産家のジム・ラトクリフ(Jim Ratcliffe)氏(71)がクラブの株式25パーセントを取得することで合意したと発表した。ラトクリフ氏は、ユナイテッドをトップに戻すことを約束している。

 金額は13億ドル(約1850億円)で、ラトクリフ氏が創業した英化学大手イネオス(Ineos)がユナイテッドのサッカー部門を運営するようになる。老朽化している本拠地オールド・トラフォード(Old Trafford)の改修にも、多額の資金が提供される。

 ユナイテッドをめぐっては、13か月前に現オーナーのグレーザー(Glazer)家が、クラブの成長につながる「戦略的な選択肢」として売却を検討していることを発表した。それ以来、ラトクリフ氏とカタールの投資家が買収を目指していたが、100パーセントの株式取得を求めるカタールの投資家は、金額で折り合いがつかずに撤退していた。

 マンチェスター(Manchester)地方で生まれ育ち、ユナイテッドの熱烈なファンを公言するラトクリフ氏は株式取得を喜び、他国のサッカークラブや自転車チームも保有するイネオスの専門知識と優れた人材を活用して成功を目指すと宣言。「われわれは皆、マンチェスター・ユナイテッドがあるべき場所、すなわちイングランドと欧州、世界のサッカー界のトップに戻るところが見たいと思っている」と目標を語った。

 今後は英国自転車連盟(British Cycling)で働いた経験も持つデイブ・ブレイルズフォード(Dave Brailsford)氏が、イネオスのスポーツ部門のトップとして、ユナイテッドに対して大きな影響力を持つとみられる。またオールド・トラフォードの改修には、追加で3億ドル(約427億円)の資金が投じられる。

 ユナイテッドはグレーザー家の下で近年は成績が振るわず、リーグ優勝からは2012-13シーズンを最後に遠ざかっている。今季も首位と勝ち点12差の8位で、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2023-24)からも敗退。エリック・テン・ハーフ(Erik Ten Hag)監督にも厳しい目が向けられている。(c)AFP/John WEAVER