■「餓死より殉教の方がまし」

 ナジさんは、「豆の缶詰の値段は1シェケル(約40円)から6シェケル(約240円)に跳ね上がった」と語る。

「戦争前も人々は貧しく、職を持つ人でも子どもに十分食べさせられなかった。それなのに、この状況にどう対処すればいいのか」と述べ、「餓死者が出るのではないかと恐れている」と続けた。

 南部ハンユニス(Khan Yunis)から逃れてきた、妊娠5か月のヌール・バルバクさんは、食料配給所が開く何時間も前から列に並んでいた。

 トマト3個と2シェケル(約80円)を握り締めたバルバクさんは、「12歳の長男にときどき来させているが、暴力を振るわれるだけで何ももらえずに泣きながら帰ってくる」と話し、「ここがなければ、私たちは何も入手できない」と訴えた。

「子どもたちはやせ細り、空腹のため夜中に起きる」と厳しい状況を説明し、激戦地となっているハンユニスの自宅に戻ろうと考えたこともあると打ち明けた。

「飢え死にするより、殉教者として家で死ぬ方がましだから」 (c)AFP/Mai YAGHI