9日午後5時ごろ、ソウル鍾路区の曹渓寺テンプルステイ体験館で、ある男性が自己紹介をしている(c)MONEYTODAY
9日午後5時ごろ、ソウル鍾路区の曹渓寺テンプルステイ体験館で、ある男性が自己紹介をしている(c)MONEYTODAY

【12月24日 KOREA WAVE】「私は男子中、男子高、工学部、軍隊に『男超』(男が多い)の会社まで出たんです。女性の方に会う機会がなかったので、良い縁を作りたいです!」

今月9日午後5時ごろ、ソウル市鍾路区の曹渓寺(チョゲサ)テンプルステイ体験館。査察服を着た30代のパク某氏がマイクを握り、自己紹介した。

「私」を表すキーワードとして▽「工科大男」▽「ただE」(外向型)▽「外資系会社」を挙げた。恥ずかしそうに頭を掻きながら、「今日は、私の人生で最も多くの女性の方々に会うことになりそうだ」「私は外向的な性格で、活発な人が好きだ」と語った。

◇「不自然」ではない出会い

ソウル・曹渓寺で20~30代のための異色テンプルステイが開かれた。未婚男女20人を招待し、1泊2日間のテンプルステイを実施、縁を探す別名「出会いテンプルステイ」だ。僧侶たちが合コンを取り持つ今回の行事には約300人が志願した。

出会いテンプルステイは、韓国保健福祉省が後援する事業だ。未婚男女の健康的な出会いの推奨と結婚奨励のために導入された。2012年、京畿道高陽市の興国寺(フングクサ)で始まり、現在まで33回開催され、約620人の未婚男女が参加した。

この日の行事には、20代後半から30代中・後半までの男女が参加。小学校教師、弁護士、銀行員、大学教職員、児童心理相談家、デザイナー、公企業・大企業会社員など、職業はさまざまだ。

曹渓寺側は、年齢と申請理由、居住地などを考慮し、男性10人、女性10人を選定した。

曹渓寺僧侶は「最近の出会いとは、お互いが条件によってつながる利害関係によるものだ。だから、出会い自体が不自然な場合が多い。ここに来られた方々は、各自、自分の魅力をアピールしてカップルになり、曹渓寺の仏様が微笑むような関係を実現してほしい」と話した。

◇親しくなる時間

初日は、お寺の礼節と曹渓寺記念碑などを学び、参加者同士が親しくなる時間を過ごした。

翌日は朝の供養と、1対1の散歩デート、僧侶との茶談などが続いた。

行事の序盤には、ぎこちない雰囲気が続いたが、レクリエーション講師の主導で「ソウルメイトを探してTMIトーク」が進められると、少しずつ積極的な雰囲気に変わり始めた。

男女10組は1対1で向かい合って挨拶をし、お互いの共通点を見つけた。10秒間、目を見つめ合ったり、相手の良いところを褒めたりもした。片手を握り、もう一方の手でじゃんけんをするゲームもやった。

最初は皆、照れくさそうに見えたが、ある程度対話が続くと、和気あいあいとした笑い声が響いた。あちこちで「芸能人に似ていると言われませんか」「うちの会社と職場が近いですね」などの話が交わされた。

20人の参加者は席を立ち、自己紹介もした。

「猫」「役に立つ神雑」「良妻賢母」など自身を表わすキーワードを書いて名前と年齢、職業、居住地、趣味、MBTI、理想のタイプなどを話した。

弁護士のソン某氏(35)は「私は一つのことを深くつきつめるオタ活をするより、多様な分野に関心を持つのが好きです」「優しい人が理想のタイプ。水泳、ピラティス、ゴルフが好き」と話した。

自分だけの特技で、魅力をアピールする参加者もいた。

京畿道で公務員として勤めるというある男性は「普段から挑戦するのが好きで、歌サークル、ダンスサークルでも活動した」と話した。

司会者が「一曲歌ってもらえませんか」と尋ねると、短いラップを披露し、雰囲気を盛り上げた。

◇休息を通じた出会いの場

参加者の大多数は、異性に会う機会が少なく、ここを訪れたという。

IT会社に勤めるキム某氏(29)は「インドア派で在宅勤務ばかりで、異性に会う機会がなかった。私は普段、人見知りで物静かなのですが、今回は勇気を出してやってきた」と語った。

デザイナーのチェ某氏(33)も「美術を専攻して女子大を卒業し、ずっと女子ばかりの環境にいた。年末の冬になると物足りない気分になる。良い縁を作りたい」と話した。

曹渓寺側は「出会いテンプルステイ」を来年も実施する。「寺院という静かな空間で、休息を通じて出会いの場を用意したい。恋愛や結婚が実現するかどうか、個人のプライバシーなので、事後の管理はしていない」そうだ。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News