【12月23日 AFP】スウェーデンの郵便局には毎年、「サンタさんへ」で始まる手紙が世界中から多数届く。首都ストックホルムの郵便博物館は返事を出すだけではなく、100年以上にわたって特に印象の強い手紙を保管している。コレクションは現在、約1万通に上り、最も古い物で1890年代の手紙もある。

 同国の郵便事業を担うポストノード(PostNord)には、「ラップランド(Lapland)」、「トナカイの国(Reindeer Land)」、「サンタの家イグルー(Santa's Igloo)」などの宛先の手紙が昨年だけで約1万6000通届いた。

 ポストノードの切手部門の責任者、クリスティーナ・オーロフスドッテル氏は、郵便博物館でAFPの取材に応じ、サンタ宛ての手紙は「米国、アジアからも届く」と話した。

 サンタにリクエストするプレゼントで上位を占めるのは今も昔も、おもちゃやペット、本などだ。ただし、昔の子どもたちの方が控えめだったかもしれない。

 オーロフスドッテル氏によれば、「昔の手紙に子どもが書いていた欲しい物は一つか二つだったが、最近は欲しい物のリストが長い」という。

 多くは子ども自身が手書きしたもので、サンタへの質問も書かれている。

 1960年代に少女が書いた手紙には、「サンタさんが好きな飲み物は何ですか? 用意しておきたいので、教えてください」と書かれている。

 4歳の子どもは、自分の名前を書けるようになったのを伝えるために手紙を出したようで、「サンタさんのトナカイが元気でいますように」と書き添えている。

 すべての手紙は開封されて読まれ、送り主の住所が書かれている場合は、博物館が返事を出している。

 オーロフスドッテル氏によれば、返信は通常、「こんにちは、サンタです」で始まり、「サンタはクリスマス前はとても忙しくしていること、手紙を送ってくれたことへの感謝」などがつづられている。

 さらに、子どもたちに対し、誰かの一日を明るくするために手紙を書いてほしいということや、「自分を信じれば何でも夢はかなうのを忘れないでほしい」というメッセージなどが書かれている。

 手紙を送るのは子どもだけではない。今年は、台湾在住の20歳の若者からの手紙も届いたという。(c)AFP/Viken KANTARCI