ユーチューブチャンネル「警察庁」(c)MONEYTODAY
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【12月22日 KOREA WAVE】韓国のマンション団地の前に駐車しておいた車の中で幻覚物質を吸入していた男性が検察に引き渡された。

京畿北部(キョンギプクプ)警察庁によると、最近、南楊州市(ナムヤンジュシ)のあるマンション団地の前に停められた車の運転席に座っていたA氏が呼吸困難の症状があるという通報があり警察が出動した。

警察は車のドアを開け、A氏は何かを吸い込んでいた。警察は「もう吸わないで」と制止した。だが、A氏は止めずに「シューッ」という音を出しながら正体不明のガスを吸い続けた。警察は「これが何なのか確認しなければならない。危ないから出て来い」とA氏を強制的に引きずり出した。

A氏は車の外に引きずられながらも、最後まで呼吸器を手から離さずに吸入した。呼吸器は車の中の筒にホースでつながれていた。

捜査の結果、容器に含まれた物質の正体は「亜酸化窒素」だった。専門医薬品の亜酸化窒素は幻覚作用する医療用ガスだ。気体を吸うと笑いが出て、体が浮いたような感じを与え「笑いガス」「ハッピーバルーン」とも呼ばれる。

A氏は「申し訳ない」といいながらも「足が痛くて医療用に吸うものだ」と主張した。警察は、亜酸化窒素の過剰吸入を疑い、A氏を病院に搬送した。

A氏の体に特別な異常がないことを確認した警察は、A氏を現行犯で逮捕し、検察に送致した。

亜酸化窒素を乱用した場合、窒息したり神経と脊髄損傷、中毒を起こし昏睡状態や死亡に至ることがある。2017年に幻覚物質に指定され、処方箋なしで吸入などの目的で所持・販売した場合、処罰される。

化学物質管理法によると、興奮・幻覚または麻酔作用を起こす化学物質を摂取または吸入したり、このような目的で所持してはならない。所持した者、または摂取・吸入しようとする者にその事実を知りながら販売または提供した者は、3年以下の懲役または5000万ウォン以下の罰金刑に処する。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News