【12月21日 AFP】中国外務省は21日、南シナ海(South China Sea)でフィリピン政府が大胆な戦術を講じていると不満をあらわにし、同国は「理性的な選択を行う」べきだと警告した。

 比沿岸警備隊は今月、自国の船がルソン(Luzon)島沖のスカボロー礁(Scarborough Shoal)近くの海域で操業している漁民向けに物資輸送を行った際と、アユンギン礁(セカンド・トーマス礁、Second Thomas Shoal)の海兵隊員が常駐する座礁艦への補給を行った際に、中国船に放水銃で水をかけられる様子を映した動画を公開。アユンギン礁付近では船同士の衝突も起き、双方が相手側を非難した。

 比政府は11日、中国大使を召喚し、国外追放の可能性を示唆していた。

 中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は21日、「われわれは、フィリピンが理性的な選択をし、近隣諸国と友好関係を保つために有効な方法を守り、現在の海洋状況に適切に対処するために中国と協力することを望む」と述べた。

 これを受けてフェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)比大統領は、「威圧」には屈しないと明言し、このところ係争海域で緊迫した対立が生じているのは自国の「勇気」の表れだと述べた。(c)AFP