【12月21日 AFP】中国・甘粛(Gansu)省で起きた地震の被災者は20日、気温が氷点下に下がる中、仮設テントで身を寄せ合って一夜を過ごした。

 国営中国中央テレビ(CCTV)によると、18日夜に発生した地震による死者は甘粛省と青海(Qinghai)省合わせて少なくとも134人に上る。国営新華社通信は、両省で1000人近くが負傷、20日午後4時時点で青海省で少なくとも13人が行方不明となっていると報じた。

 今回の地震は2014年に600人以上が死亡した雲南(Yunnan)省での地震以来、最悪規模とされる。

 震源地に近い、甘粛省臨夏回族自治州の積石山パオアン族・トンシャン族・サラール族自治県のモスクの外では、木の棒や防水シートでつくられた仮設テントに人々が避難していた。気温が下がる中、暖を取る手段は自宅から持ち出したストーブや毛布のみだ。

 ある女性はAFPに対し、自宅内部のレンガやタイルがいつ剥がれてもおかしくない状況で、家族は皆、怖くて家には戻れないと話した。

 別の地区では、地元政府がバスケットコートに設置した大規模テントに置かれたストーブの周りに住民が集まっていた。

 ある住民は、35人が収容されているテントもあると語った。「8人家族なのに、(救急隊は)昨晩は3人分のインスタント麺しかくれなかった」と話した。

 子どもたちは毛布に潜り込み、携帯電話をいじっていた。一方、大人は、配布された限りある食材を使って食事の準備をしていた。

 AFPは救助隊がテントなど大量の支援物資を降ろしているのを目撃した。

 別の地区では、モスクの前で食料や支援物資が配られており、人々が列をなしていた。モスクの屋根材は地震の影響でほぼ全壊していた。

 モスクの隣には、150張り以上のテントが設置されていた。現場の当局者によると、1張りにつき1家族が割り当てられている。

 米地質調査所(USGS)によれば、地震発生は18日午後11時59分で、マグニチュード(M)は5.9。震源地は甘粛省の省都、蘭州(Lanzhou)の南西約100キロの地点で、青海省との省境近く。震源の深さは浅かった。

 当局は、数日間はマグニチュード5以上の余震の恐れがあるとしている。(c)AFP/Sebastien RICCI