【12月18日 AFP】ドイツ政府が17日から電気自動車(EV)購入時に支給される補助金を停止すると発表したことに反発が広がっている。突然の停止は、既に苦境に立たされている同国自動車産業にとってさらなる痛手となる。

 財務省は16日、EVの購入希望者が補助金制度を利用するには、17日までに申請する必要があると発表した。

 補助金の支給停止は、憲法裁判所が11月に新型コロナウイルス対策予算600億ユーロ(約9兆3000億円)を気候変動対策基金に転用したことについて、違憲と判断した影響を受けたもの。

 経済紙ハンデルスブラット(Handelsblatt)は、補助金制度を廃止すれば、2030年までに1500万台のEVを普及させるとの計画が達成できない恐れがあると警告。「目標達成は既に極めて非現実的と思われていたが、今や完全に幻となった」と指摘した。

 財務省によると、この制度で2016年以降、EV約210万台に対し、100億ユーロ(約1兆6000億円)の補助金が支払われている。
 ドイツの自動車産業は、世界経済と需要の低迷から、電気自動車への移行で苦戦を強いられている。また、主要輸出国である中国で国産メーカーが台頭していることも競争激化に拍車をかけている。(c)AFP