■作品の「居場所」

 2001年の米同時多発攻撃後の「テロとの戦い」で、キューバ・グアンタナモ(Guantanamo)にある米軍基地の収容所に拘束された容疑者たちの絵画やスケッチも展示されている。

 その中には水に沈み、上部の手と冠しか見えない自由の女神(Statue of Liberty)像の絵も含まれている。

 2017年にニューヨークで開催されたグアンタナモの被収容者の作品展は物議を醸し、米政府は釈放時に美術作品を破棄するよう命じた。

 ベネ氏は「誰かに阻まれ、作品を公開できないアーティストは、検閲を受けているアーティストであり、この美術館では常に居場所がある」と語った。

 公開初日にドイツ・ハンブルク(Hamburg)から訪れていたコリーナ・デシャトーブールさん(56)は、携帯電話で作品情報を次々と調べていた。「驚いた。他にはない、本当に面白い展覧会だ」と語った。

 スペイン人のモンセラット・イスキエルドさん(67)は「禁じられたもの、普段は見ることが許されないものを目にできるのはいいことだ」と語った。

 映像は10月26日撮影。(c)AFP/Rosa SULLEIRO