【12月16日 AFP】スペインで6年前に行方不明になり、今週フランスで発見された英国人のアレックス・バティ(Alex Batty)さん(17)が今週末に帰国することになった。検事が15日、明らかにした。

 バティさんは、英イングランド北部オールダム(Oldham)出身。2017年10月8日にスペインで目撃されたのを最後に行方が分からなくなっていた。

 だが、検事によれば、バティさんは親権を持たない母親、祖父と共にスペインおよびモロッコで過ごした後、フランスに渡っていた。

 フランスでの2年間を含む6年間は「スピリチュアルな共同体」を転々とし、同じ場所に数か月以上留まることはなかったという。

 祖父は半年前に亡くなり、母親が今度はフィンランドに行くと言い出したため、バティさんは逃げ出すことを決意。トゥールーズに向かって4日間山岳地帯を歩いていたところ、今月13日午前3時、車で通りがかった配達員に発見・保護された。

 バティさんは捜査官に対し、この6年間は身体的な暴力を受けていないが、「5歳か6歳の時に性的虐待を受けた」と語っている。

 警察は、母親と祖父が2017年に、スペインで休暇を過ごすと偽り、当時11歳だったバティさんを誘拐した疑いがあるとしている。

 英メディアによれば、法廷後見人である母方の祖母のスーザン・カルアナ(Susan Caruana)さんは、バティさんの発見に「安堵(あんど)し、喜んでいる」。

 祖母は母親らがバティさんを連れ去った理由について、一般的な教育を受けさせず、主流からはずれた生活を送らせるためだとの見方を示しているという。(c)AFP/Daniel Martinez with Stuart Williams in Paris