【12月16日 AFP】フランス・リーグ1、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)前指揮官のクリストフ・ガルティエ(Christophe Galtier)氏(57)は15日、ニース(OGC Nice)指揮官時代のハラスメントや人種差別疑惑に関する裁判で、執行猶予付き禁錮1年と罰金4万5000ユーロ(約699万円)を求刑された。

 ガルティエ氏は現在ニース(Nice)の裁判所で、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」やイスラム教徒の選手に関する差別発言の罪に問われており、捜査は「公平性」を欠いていると弁護士を通じて反論している。

 ガルティエ被告はニース(Nice)の裁判所で、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」やイスラム教徒の選手に関する差別発言の罪に問われている。

 疑惑が発覚したのは元ニースのスポーツディレクター(SD)のジュリアン・フルニエ(Julien Fournier)氏が送った電子メールが流出した今年4月で、宛先は同クラブのオーナーである英化学大手イネオス(Ineos)社のSDを務めるデイブ・ブレイルスフォード(Dave Brailsford)氏と報じられている。

 メールの中でフルニエ氏は、自身との会話でガルティエ氏が、クラブには「イスラム教徒と黒人が多すぎる」と発言していたと告発。メールの別の部分では、2022年のラマダン時期にもガルティエ氏がクラブにはイスラム教徒が多すぎると繰り返し訴え、彼らを移籍させるよう要請していたと書かれていた。

 検察官は、ガルティエ氏が「チーム内の黒人やイスラム教徒の人数を減らそうとしていたのは明白だ」と主張。「プロのクラブではラマダンが認められている。クリストフ・ガルティエ氏にとってはそれが問題になっている」と指摘した。

 メールではさらに、ガルティエ氏が相手DFを「キングコング」と呼んでいたと書かれており、同氏はこれについては認めたものの、相手の「パワーと強さ」を表現したにすぎないと主張した。

 ガルティエ氏は6月にPSGを退団したが、わずか4か月後にはカタール1部リーグのアル・ドゥハイルSC(Al Duhail SC)の監督に就任した。(c)AFP/Fanny CARRIER