【12月13日 CGTN Japanese】中国中部の湖北省華中科技大学ソフトウェア学院は、人工知能(AI)を利用して、行方不明になった家族を探す家庭に対して技術支援を提供しています。この技術支援を通じて行方不明だった児童11人が家族との再会を果たしました。

 同学院ではしばらく前にAI画像修復技術を利用して、数年前に行方不明になった児童の当時の写真を現在の姿にシミュレーション修復してほしいという依頼を受けました。

 児童の現在写真をAIで作り出す着想は2020年に得られました。当時のAIベビーボランティアチームだった盛建中隊長は博士課程の学生でした。たまたま目にした子探しの情報で、提供された写真がぼやけていて、「このような写真では、その子がそばにいても見分けられないかもしれない」と思ったとのことです。デジタル画像処理を専攻とする盛さんは、自分の専門分野で子供の写真を鮮明に修復できないかと考えました。

 しかし、画像修復アルゴリズムを開発するには膨大なデータベースを構築する必要があり、一人の力だけでは不十分でした。しかし多くの学友が盛さんのしていることを知り、自発的に参加してコードを書いたり、アルゴリズムをテストしたりくれました。

 盛さんと仲間は半年をかけて難関攻略に集中的に取り組み、最終的に画像修復の人工知能アルゴリズムを開発し、「全体修復」「顔増強」「超解像度再現」の技術によって、子供を探す家庭が抱える「顔写真が鮮明でない」という深刻な問題を解決しました。

 ぼやけた写真をシステムに入力すると、数分後には修復された画像が自動生成されます。写真の解像度は大幅に向上しており、顔立ちがくっきりとしています。子供を探す保護者はその写真を服に印刷したり、巨大なポスターに印刷したりすることができます。

 盛さんらのボランティアは、写真の修復以外にも、子探しのための社会モデルを構築しました。警察や公益組織などとの協力で連携を強化して、技術手段による子探しの正確性を高めました。例えば、修復された写真を印刷した「子探し粘着テープ」を作って宅配便の包装に使用してもらうようにしました。また、「子探しはがき」「子探しショート動画」などを制作して、子探しの情報を広く伝えるようにしました。家族による個別の子探しを、社会全体による子探しに転換したわけです。

 これまでに1000人以上の行方不明の児童の写真が修復され、うち11人が家族との再会を果たしたとのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News