【12月13日 AFP】サッカーイタリア・セリエAのユベントス(Juventus)や同国代表で活躍したDFジョルジョ・キエッリーニ(Giorgio Chiellini)が12日、数々のトロフィーに彩られた輝かしいキャリアに幕を下ろすことを発表した。

 39歳となったキエッリーニは、23年のプロキャリアのハイライトを集めた動画をSNSに投稿し、「僕の人生で最も美しく密度の濃い旅路だった。君(サッカー)は僕のすべてだった。君と共に唯一無二の忘れられない道のりを歩んできたが、今こそ新たな章を始め、新たな挑戦に臨み、大切でエキサイティングな人生の次なるページをつづるべき時だ」と記した。

 2005年にユベントスに加入したキエッリーニは、「カルチョポリ(Calciopoli)」と呼ばれる八百長スキャンダルを経験した後、クラブの国内トップ返り咲きに貢献。アンドレア・バルツァッリ(Andrea Barzagli)、レオナルド・ボヌッチ(Leonardo Bonucci)と共に形成した3バック「BBC」の要を務め、チームをリーグ9連覇に導くと、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)でも2回準優勝を果たした。

 17年を過ごしたユベントスを退団した後は、ここ2シーズンは米メジャーリーグサッカー(MLS)のロサンゼルスFC(Los Angeles FCLAFC)でプレーし、現役最終戦は9日に行われたコロンバス・クルー(Columbus Crew)とのMLSカップ(MLS Cup 2023)決勝となった。

 イタリア代表では多くの浮き沈みを経験した。2012年の欧州選手権(UEFA Euro 2012)では決勝に進出したが、スペインに0-4の惨敗。W杯(World Cup)でも前回優勝国として臨んだ2010年南アフリカ大会、さらに2014年ブラジル大会でグループリーグ敗退に終わり、2018年ロシア大会は歴史的な予選敗退を喫した。ブラジル大会では、ウルグアイのルイス・スアレス(Luis Suarez)にかみつかれたことも話題を呼んだ。

 しかし2021年の欧州選手権では、W杯予選敗退で代表熱が冷めかけていた中で、主将としてチームの大会制覇に貢献し、国民的英雄となった。大会後半では気迫のディフェンスを何度も見せ、イングランドをPK戦の末に下した決勝で抜け出したブカヨ・サカ(Bukayo Saka)を引き倒したシーンは、イタリア国民にとって大会を象徴する場面で、また勝利のためならどんなプレーもいとわない老かいなDFの伝統に連なるものだった。

 ところがその後は2大会連続でW杯出場を逃し、2022年に行われた南米王者アルゼンチンとの親善試合限りで代表から退いた。代表では117キャップを積み重ねた。(c)AFP/Terry DALEY