【12月11日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は10日、イスラム組織ハマス(Hamas)の「終えん」が近づいているとして、武器を捨て投降するよう戦闘員に呼び掛けた。一方のハマスは同日、イスラエルで収監されているパレスチナ人が釈放されない限り、人質は生きてガザ地区(Gaza Strip)から出られないだろうと警告した。

 ネタニヤフ氏はハマスのガザ地区トップ、ヤヒヤ・シンワル(Yahya Sinwar)氏の名前を挙げ、同組織の戦闘員に対して、「終わりの始まりだ。ハマスのテロリストに告げる。シンワルのために死ぬな。今すぐ投降せよ」と呼び掛けた。「ここ数日でテロリスト数十人がわが軍に投降した」とも語った。

 イスラエル軍は10日、24時間でガザ南部の「ハマスの軍事通信拠点」や「地下トンネル」、シェジャイヤ(Shejaiya)の司令部など250か所以上の目標を攻撃したと明らかにした。

 同国のツァヒ・ハネグビ(Tzachi Hanegbi)国家安全保障顧問は、これまでに約7000人の「テロリスト」を殺害したとしている。

 一方、軍によれば、ガザでの軍事作戦で兵士98人が死亡、約600人が負傷した。

 ハマスの軍事部門、イザディン・アルカッサム(Ezzedine al-Qassam Brigades、カッサム旅団)のアブ・オベイダ(Abu Obeida)報道官はテレビ放送された声明で、徹底抗戦を表明。イスラエルが「(拘束しているパレスチナ人との)交換や交渉に応じ、ハマス側の要求に応えない限り、人質を生きたまま」返還することはしないと主張した。

 さらに「敵は大虐殺を通じてわれわれの抵抗を打ち砕こうとしているが、われわれは自分たちの土地で聖戦を続ける」と強調した。

 イスラエルによれば、ガザではなお137人の人質が拘束されている。一方、人権団体によるとイスラエルではパレスチナ人約7000人が収監されている。(c)AFP