【12月10日 AFP】23-24フィギュアスケートグランプリ(GP)ファイナルは9日、中国・北京で男子シングル・フリースケーティング(FS)などが行われ、イリア・マリニン(Ilia Malinin、米国)が合計314.66点を記録し、自身でも「驚いている」と語る優勝を果たした。

 19歳のマリニンは、6本組み込んだ4回転ジャンプのうち5本を成功させて「4回転の神」の異名に恥じない演技を披露し、世界選手権(ISU World Figure Skating Championships 2023)王者の宇野昌磨(Shoma Uno)に17点差をつけた。

 難易度の非常に高い最初の4回転アクセルは失敗して激しく転倒したが、他は力強い演技で207.76点をマーク。昨年は公式戦で初めて4回転アクセルに成功したが、この日のフリーで4回転ループを跳んだことで、試合で6種の4回転ジャンプを成功させた史上初の選手となった。

 記者会見では「全体として、あれだけの演技ができたことに驚いている。最初にミスが出てかなり気にしてしまったが、しばらくして落ち着くことができた。かなり大きなプレッシャーがあったが、観客と会場のエネルギーに続ける意欲をもらった」とコメントした。

 前日のショートプログラム(SP)をマリニンと僅差の2位で終えた宇野は、途中でミスが出た後に構成を変えて得点アップを狙ったが、飛び抜けた運動能力を見せたマリニンには届かず、フリー191.32点、合計297.34点の2位となった。

 鍵山優真(Yuma Kagiyama)が288.65点で3位、三浦佳生(Kao Miura)は261.53点で5位となった。

 アイスダンス・フリーダンス(FD)では、米国のマディソン・チョーク(Madison Chock)/エヴァン・ベイツ(Evan Bates)組が132.46点を記録し、合計221.61点で優勝。7回目の挑戦で初めてGPファイナルを制し、「最高」の気分と喜んだ。

 イタリアのシャルレーヌ・ギニャール(Charlene Guignard)/マルコ・ファッブリ(Marco Fabbri)組が215.51点で2位、カナダのパイパー・ギレス(Piper Gilles)/ポール・ポワリエ(Paul Poirier)組が213.58点で僅差の3位に入った。(c)AFP