【12月8日 AFP】フランス警察は7日、高齢者宅でトコジラミ(ナンキンムシ)がいないにもかかわらず駆除を行い、高額な料金を請求したとして、詐欺の疑いで男2人を逮捕した。

 男2人は同国東部で90歳以上の女性を主に狙って電話をし、住んでいる地域でトコジラミがまん延していると告げていた。

 今秋フランスで広がったトコジラミへの恐怖心に付け込み、保健当局者を装い標的の家に侵入。噴霧器を使ってトコジラミを駆除するふりをした。さらに、トコジラミよけと称する軟こうも提供していたが、実際はただのユーカリの香りのクリームだった。

 クレジットカードでの支払いのみ受け付け、1件につき300~2100ユーロ(約4万7000~33万円)を請求していた。

 詐欺罪の告訴9件を受けて警察が捜査を行っていた。当局によると、計48人が被害に遭った。

 警察は容疑者2人を特定・監視し、東部ストラスブールで犯行を終えて被害者宅を出たところを逮捕した。

 フランスは10月、トコジラミのまん延に対する懸念を受け、複数の学校を閉鎖した。

 パリの地下鉄、高速鉄道、シャルル・ドゴール(Charles-de-Gaulle)空港でもトコジラミの目撃例が報告されたが、個々の事例について事実確認は取れていない。

 それにもかかわらず、英ロンドンのサディク・カーン(Sadiq Khan)市長は、フランスからのトコジラミ侵入疑惑を「本当の懸念の種」と呼んだ。(c)AFP