【12月9日 Xinhua News】中国科学院西双版納(シーサンパンナ)熱帯植物園の陳占起(ちん・せんき)氏らのチームはこのほど、ハナカマキリが滑空機能を持ち、花弁状の脚が滑空で非常に重要な役割を果たすことを発見した。この最新の研究成果は国際学術誌「カレントバイオロジー」に掲載された。

 ハナカマキリの姿は満開のランの花に似ていることから、これまではランの花の擬態を進化させたものであり、花のような体の色は獲物を誘引するためだと考えられていた。だが、陳氏らのチームの研究成果は新たな解釈を加えた。

 陳氏は「研究を通じ、ハナカマキリは優れた滑空者で、花弁状の脚が翼のような役割を果たし、滑空で極めて重要なことを発見した」と述べた。通常ハナカマキリが10メートルの高さの場所から降下する場合の水平飛行距離は平均6・1メートル、最長14・7メートルに達するという。

 同チームはまた、花弁状の脚が描く弧の形が鳥類の円弧翼の曲がり具合と非常に合致していることも発見した。陳氏は「ムササビやトビトカゲ、アマガエルなどの滑空できる脊椎動物と比べると、ハナカマキリは滑空で使う外骨格を折りたたむことが難しく、それが活動能力の低下につながり、天敵にも発見されやすい。このため、ハナカマキリは体をランの花弁に近い色へと進化させ、ランに擬態することで生存してきた」と説明した。

 「カレントバイオロジー」の査読者は、ハナカマキリの花弁状の脚が節足動物も滑空できる構造を持つことを科学的に証明したもので、この研究は生物学者とエンジニアの間で注目を集めるだろうとコメントした。(c)Xinhua News/AFPBB News