【12月7日 AFP】パキスタン・アフガニスタン国境で最も通行量が多いトルカム(Torkham) 検問所が6日、「パキスタンへようこそ」と書かれた看板が原因で一時閉鎖された。

 パキスタンとアフガニスタンの関係はここ数か月で一段と悪化している。パキスタンはイスラム主義組織タリバン(Taliban)が、アフガニスタンからパキスタンを攻撃する武装勢力について対策を講じていないと非難している。一方、タリバンはこの主張を否定している。

 武装勢力による攻撃激化を受け、パキスタン政府は不法滞在しているアフガニスタン人に自主退去を促し、従わなければ強制送還を行うと発表。国連(UN)によると、10月以降40万人以上がアフガニスタンに帰国した。

 帰国を選んだ人の多くは、交易の要所であるトルカム検問所を利用した。同検問所は今年、両国の緊張の高まりを受け、頻繁に閉鎖している。

 両国とも、今回の一時閉鎖について互いを非難している。

 パキスタン側の検問所の高官はAFPに、閉鎖は「パキスタン政府の強制送還方針に不満を持ったタリバン」によるもので、「看板の設置は口実にすぎない」と話した。この高官は匿名を希望した。

 しかし、両国当局によると、パキスタン当局はその後、看板の撤去を命じた。

 国境のアフガニスタン側にいるAFP記者は、6日午後までに通行が再開されたのを確認した。

 検問所があるナンガルハル(Nangarhar)州当局のクライシ・バドルーン(Quraishi Badloon)氏によると、看板はパキスタンによって撤去された。また「協議の結果、パキスタンは新しい看板を設置しないことに合意した」とAFPに話した。

 バドルーン氏は先に、パキスタンはこの看板を隠れみのにして、アフガニスタン側の領土を侵害する新たな検問所の設置をたくらんでいる疑いがあると主張していた。

 歴代アフガニスタン政府は、英国支配時代に定められたパキスタンとの国境を認めていない。(c)AFP